長年働いてきたのに、有給の仕組みをきちんと教わった記憶がない。そんな私がSNSで「有給40日、いつ使おう?」という投稿を見て、思わず手が止まった。40日も貯まる世界が本当にあるのか。増える仕組みも繰り越しも知らず、会社のマイルールだけを信じて働いてきた自分を振り返りたくなった。
■ 異次元の投稿
最近、SNSでこんな投稿を見かけた。
「有給40日、いつ使おう?」
正直、目を疑った。 コメント欄もにぎわっていて、
- 「辞める時に全部使えるよ」
- 「うちは辞める時ですら使えない」
など、まるで別世界の話が飛び交っていた。
そもそも “40日” ってどういう仕組みで貯まるのか? 毎年増える? 繰り越せる? そんな話、私は会社から一度も聞いたことがなかった。
私のいた最後の会社では、年度が変わると 10日だけ付与されて終わり。 会社ごとに運用が違い、それが当たり前だと思っていた。
そういえば最近、老人ホームで働く娘にも有給休暇が付与されたと聞いた。 アルバイトでも付与されると知り、驚いた。 自分のアルバイト時代には聞いたこともなかったし、派遣社員時代には「日給計算だから休んだら給料が引かれる」と言われていた記憶がある。
思うところもあるので、今回は改めて 有給の仕組みを今さら調べてみた。
■ 有給の仕組みを調べてみて驚いた
どうやら 法律で決まっていた ようだ。
- 有給は勤続年数で増える
- 勤続6年半で 年20日が必ず付与される
- さらに20日分が翌年に繰り越せる
- よって 最大40日まで持てる
つまり、制度上は誰でも 40日持てる可能性がある。
法律上の「最低ライン」はこう決まっている
- 入社半年 → 10日
- 1年半 → 11日
- 2年半 → 12日
- 3年半 → 14日
- 4年半 → 16日
- 5年半 → 18日
- 6年半 → 20日(ここで上限)
これは 全業種・全企業に共通の義務。
計算上は、勤続6年半で20日付与され、翌年にその20日が繰り越されるため、勤続7年半の時点で最大40日を持つことができる。そもそも有給化が毎年20日ずつというのも相当なインパクトだ。
でも私は、こんな説明を過去に一度たりとも受けたことがない。 増える仕組みも、繰り越しの仕組みも、誰も教えてくれなかった。
■ 私の職歴ではどうだったか
思い返すと、どの会社も “会社のマイルール” が絶対 だった。
● 中古車販売店
- 月6日以外はデフォルト出勤
- 盆・正月・GWは勝手に有給で消化
- 説明なし
- 有給は年度をまたがず、使わない分は自動で消滅
● 派遣
- 有給があることすら説明されない
- 誰も使わない
- 「知ってる人だけが使える」裏ルール
● 正社員工場
- 有給は理由書必須
- 「理由がない休みは認めない」
- 突発欠勤は勝手に有給に振替
● 4直3交代工場
- 代替要員ゼロ
- 休むとラインが止まる
- 有給は“存在してはいけないもの”
どの職場も、制度ではなく 現場の都合 で運用されていた。
■ 後から知るもどかしさ
今になって制度を知ると、正直もどかしい。
- もし知っていたら、私は使えただろうか
- 社内ルールを超えて、評価を無視して、休めただろうか
- いや、たぶん無理だった
私自身も「気づかないふり」をしていたのかもしれない。
あの頃の私は、
業務を止めないことが、自分の存在価値だ
と本気で思っていた。
会社に迷惑をかけないことが“正義”で、 制度よりも“空気”がすべてだった。
■ 私のように知らされず働く人も、知っていて使えない人もいる
今思えば、
- 仕組みすら知らされずに働いている人
- 知っていても使えずにいる人
どちらも多いのだと思う。
「制度がある」 「権利がある」
それだけでは、現場は変わらない。
では、どう向き合うべきなのか。 これは簡単な話ではない。
■ あなたはどうですか?
- 有給の仕組み、知っていましたか
- 会社は正しく運用していますか
- あなたは漏れなく利用できていますか
私のように「知らされていなかった」人は、意外と多いのかもしれない。
■ 制度を知っても、現場は別の話
今回あらためて制度を確認した。 でも、もし私がサラリーマンに戻って、 例えば中古車販売店時代の社長に
「正しい有給運用をしてください」
と言えたか。
たぶん、それはまた別の話だ。
制度がどうあれ、 現場がそれを受け入れるかどうかは、まったく別の問題 だから。


コメント