気づけば、街の働く風景が変わっていた。
喫茶店でも工場でも、外国人の姿が目立つようになった。
それは単なる多様化ではなく、企業が「日本人は雇わない」と言い切るほどの変化を伴っている。
最低賃金が上がるほど外国人を求める──そんな逆説的な現象が起きているのは、制度が生み出した“安さのインセンティブ”があるからだ。
この構造が積み重なった先に、日本の未来はどうなるのか。
その問いが、ずっと頭から離れない。
1. 街で起きている“異変”
最近、街を歩いていて気づくことがある。 ここ数年で、外国人労働者が一気に増えたということだ。私の若いころには想像てきていなかったことである。
フランチャイズの大手喫茶店では、 「当店では外国人スタッフを積極的に採用しております」 という張り紙が掲げられ、議論を呼んだ。
別の場所では、製造業の経営者がインタビューでこう言い切った。
「もう日本人は雇うことはないよ」
これは単なる“人手不足の風景”ではない。 企業が日本人を雇用しないという選択を取り始めたという、 日本の労働市場の歪みが表面化した瞬間だ。
2. 最低賃金が上がるほど、企業は外国人を欲しがるという矛盾
最低賃金が引き上げられるたびに、現場からはこんな声が聞こえてくる。
- 「うちはもう日本人は無理だ」
- 「外国人枠を増やしたい」
普通に考えれば、 最低賃金が上がれば“誰を雇っても同じ”になるはずだ。
しかし現実は逆だ。
最低賃金が上がるほど、企業は外国人労働者を強く求める。
この矛盾に気づいたとき、私は直感した。
日本人を雇うより安くなる“ギミック”が制度の中にある。
3. 企業は合理的に動く──だから外国人を選ぶ
企業は感情で動かない。 差別意識でもない。 ただ、制度が作り出すインセンティブに従って合理的に動くだけだ。
実際、自治体が外国人労働者とのマッチング事業を委託している例もある。 つまり、制度として“外国人を使いやすくする方向”に舵が切られている。
そして今の日本には、 外国人労働者の方が“安くて安定した労働力”になる仕組みが存在する。
・社会保険料の扱いが日本人と異なることで、企業側の負担が軽くなるケースがある。
・帰国時に受け取れる脱退一時金によって、年金負担が“実質的に”軽くなる構造もある。
・外国人雇用に紐づく補助金・助成金が用意されており、日本人雇用には無い優遇が存在する。
・転職の自由が制限されているため離職率が低く見え、企業からすると“安定した労働力”として扱いやすい。
・在留資格が企業に依存する仕組みのため、労働者側が職場を離れにくく、結果として“辞めにくい”構造が生まれる。
もちろん、一つ一つはケースによって異なる。 すべてが同時に当てはまるわけではない。
しかし、これらが組み合わさると、
日本人を最低賃金で雇うより、外国人の方が“安くて辞めない”という構造が生まれる。
そして極端な場合には、 店舗一店、工場一棟が、上から下まで同じ国籍の外国人で構成されることも起こりうる。
企業が外国人を選ぶのは、 “合理的な判断”に過ぎない。
4. しかし、その合理性は日本社会全体の“非合理”を生む
企業の合理性は、社会全体の合理性とは限らない。
その積み重ねが、 日本人の労働市場を静かに壊している。
- 再就職が最低賃金に張り付く
- 高卒が詰む
- 若者のキャリアが固定化
- 国内消費が弱くなる
- 地方の労働市場が崩壊
- 日本人の賃金が上がらない
- 経済全体が縮む
「安定した安い労働力が欲しい」という、 悪意のない企業の合理性が、 日本の未来を削っている。
5. これは外国人の問題ではなく、制度の問題だ
誤解してはいけない。
問題は外国人労働者ではない。 彼らは制度の中で働いているだけだ。
問題は、
日本人より外国人を雇う方が企業にとって合理的になる制度
そのものだ。
そしてその制度を作ったのは政治であり、
消費税問題と同レベルの、政治がもたらした構造的失敗である。
6. 日本の未来を心配するからこそ、制度の話をする
私は外国人を責めたいわけではない。 企業を責めたいわけでもない。
ただ、
制度の積み重ねが日本を壊しているという事実
を見て見ぬふりはできない。
- 日本人の賃金が上がらない
- 若者が未来を描けない
- 地方が衰退する
- 労働市場が二層化する
これらはすべて、 制度が生んだ“安さのインセンティブ”の帰結だ。
だからこそ、 私はこの問題を言葉にしておきたい。


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