50歳目前で入れ歯になった話。下の奥歯4本を失って気づいた「歯の価値」

歯医者 健康と日常
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今この記事を書いているのは、歯医者の待合室だ。 入れ歯を作り終えて「これで一段落かな」と思っていたら、銀歯のつなぎ目に隙間があると言われ、被せ物を外したら中は虫歯が深く侵攻していた。 その神経治療の続きで、今日もこうして椅子に座っている。

50歳を目前にして、まさか自分が入れ歯になるとは思っていなかった。 しかも下の奥歯4本分が一気にだ。 情けなさ、戸惑い、そして老いという現実を受け入れざるを得ない気持ち。 今日はその体験を、そしてそこにつながる自分の人生のことも含めて、まとめてみたい。

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■ 奥歯が一本ずつ消えていく恐怖と、入れ歯宣告の衝撃

最初に「入れ歯になりますね」と言われた時、真っ先に湧いた感情は 情けなさ だった。

奥歯が一本ずつ減っていき、噛めなくなっていく実感はずっとあった。 でも、左右の奥歯が2本ずつ、合計4本失われた時は本当に一気に噛めなくなった。 最後の1本なんかは縦に割れてしまい、もう取り除くしかなかった。

抜けば抜いたで、 「入れ歯かインプラントですね」 と淡々と言われる。

その瞬間、少し動揺した。

● 歯の弱さは、若い頃からの積み重ねだった

思えば10代の頃から奥歯は治療を繰り返していた。 神経の残っている奥歯はもうない。 私は現場作業が多く、歯を食いしばる場面がとても多かった。 20代前半にはすでに2本を立て続けに失っていた。

歯磨きはまめにしていたつもりだが、私は歯の溝が深い「小窩裂溝」という形状の歯だったのだと思う。 治療の繰り返しで被せ物になっており、そこに食いしばりの癖が重なり、負担が蓄積していたのだろう。 直しても直しても長持ちしない。 そんな状態がずっと続いていた。

■ 家族に見せたくない現実と、初めての入れ歯の痛み

作った入れ歯を弟に見せた時、残念そうな顔をされた。 あの「可哀想に」という目は今でも忘れられない。

その瞬間、 「ああ、これは人前で見せるものじゃないんだ」 と痛感した。

妻や娘には話したけれど、見られたくはない。 今でもこっそり付け外ししている。

● 初めて入れ歯を口に入れた日のこと

調整もなくそのまま嵌めて帰らされ、最初の調整までの数日は本当に痛かった。 「慣らす必要があるのだろう」と思って我慢していたが、次の調整をしてもらったら一気に楽になった。

そこからは割と普通に噛めるようになった。

ただ、

  • 入れ歯と歯茎の隙間に物が入る不快感
  • 固いものを噛むと痛みが走る
  • 食後に毎回歯磨きしたくなる
  • 洗浄剤の習慣がどうにも馴染まない

こういう“生活の変化”は、正直まだ慣れない。

■ 噛めることの幸せに気づいた瞬間

前歯だけで噛む生活は本当に大変だった。 噛むことに意識が向きすぎて、食事に集中できない。

それが、入れ歯を調整して左右どちらでも咀嚼できるようになった時、 「あ、歯が戻ってきた」 と感じた。

無理に片側だけで噛む必要もない。 痛みがなければ、普通に食べられる。

ただし、粘り気のあるものは危険だ。 入れ歯にくっつくと浮き上がる。 これは本当に怖い。

それでも、 しっかり噛めると食べ物はこんなに美味しいのか と心から思った。

噛めるというのは、当たり前じゃない。

■ 歯の話は、結局 “生き方” の話でもある

ここからは少し昔話になるけれど、今回の入れ歯の件は、ただ歯が弱かったというだけじゃなくて、自分の生き方そのものの積み重ね でもある。

私は大学に行かなかった。 というより、行くという選択肢が家庭に存在しなかった。 高校を出たら働くのが当たり前で、親もそういう価値観だった。

最初の工場の次に就いたのはタイヤ販売店の仕事。 重いタイヤを運び、仕事の多くは力仕事で、食いしばる場面が多かった。 若い頃はそれが当たり前で、身体の負担なんて考えもしなかった。

夜遅くまで働き、疲れて帰ってきて、被せ物が取れても「まあいいか」と放置した。 その結果が今の歯の状態につながっている。

■ 転職、無職、そしてセミリタイアへ

30代、40代と働き方は変わっていった。 転職もしたし、無職の時期もあった。 逃げたこともあるし、しんどくて動けなかった時期もある。

「働き方を変えたい」 「このままじゃ潰れる」 そんな思いで物販を始め、今はセミリタイア気味の働き方になった。

家族との生活も変わった。 子どもの送り迎えが日常になり、地方で車が必須の生活。 若い頃には想像もしなかった生活だ。

そんな中で、歯の問題はずっと後回しにしてきた。 痛くなったら行く。 それだけだった。

でも50歳を目前にして、さすがに身体の声を無視できなくなった。

■ 50代を迎える前に痛感した「歯は資産」

最近、妻の奥歯の詰め物が取れたままになっている。 歯医者に行きたがらないのだが、今の自分の状態を見ると強く思う。

「早く行った方がいい」

今は麻酔の技術も進化しているし、神経に達する前に治療した方が絶対にいい。

特に力仕事をする人は要注意だ。 奥歯には食いしばるたびに何トンもの圧力がかかると聞いたことがある。 痛みやすいのは当然だ。

私が奥歯2本を失ったのは、タイヤ販売店時代の食いしばりと、客商売ということで夜も遅く被せ物が取れても放置してしまったことが原因だった。

だからこそ、今は強く思う。

痛くなる前に治療しよう。 そして定期検診に行こう。

歯は一度失うと戻らない。 50代は“歯の曲がり角”だ。

■ まとめ:歯は大切に。これは本当に。

下の奥歯4本を失い、入れ歯になり、噛めることのありがたさを知った。 家族に見られたくない気持ちもあるし、生活の不便もある。 それでも、噛めるようになっただけで人生の質は大きく変わった。

もしこの記事を読んでいるあなたが、 「ちょっと痛いけどまだ大丈夫」 と思っているなら、どうか早めに歯医者へ行ってほしい。

ただ、これは説教ではない。 昔の自分にそっと言いたいだけだ。

今の自分は、歯は大切だと静かに思っている。

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