未経験で再出発するとき、まず知っておきたい媒体のクセ

就職・転職・再就職
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SNSを眺めていると、転職に悩む投稿がよく流れてくる。 先日も、30代後半の人が「書類選考22社落ち」と嘆いていた。 経理や会計事務所に挑戦しているらしいが、未経験ではどこも門前払いだという。 その言葉を読んだとき、私はふと、自分が30歳の頃に事務職へ転じようとして足掻いた日々を思い出した。 正論は世の中に溢れているけれど、実際に突破するのは簡単ではない。

そして最近になってようやく気づいたのは、 未経験が採用されないのは“本人の問題”ではなく、媒体ごとのクセに飲み込まれているだけ ということだ。 転職エージェント、求人サイト、求人誌、ハローワーク──。 それぞれの仕組みを知らずに応募を続けると、必要以上に消耗してしまう。 今日は、その構造について少し書いてみたい。

◆ 転職媒体には、それぞれ“クセ”がある

未経験で再就職を考えるとき、まず迷うのは 「どこから応募すればいいのか」 という点だと思う。 SNSでは「エージェントがいい」「求人サイトが強い」「ハロワは地雷」など、 さまざまな意見が飛び交っている。

けれど実際のところ、 転職媒体にはそれぞれ“クセ”があり、向き不向きがはっきりしている。 このクセを知らずに応募を続けると、 書類落ちが積み重なり、必要以上に心が削られてしまう。

ここでは、私が採用側の視点で見てきた 4つの媒体の特徴を整理してみたい。

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◆ 1. 転職エージェントのクセ

転職エージェントは、企業が採用した瞬間に 年収の20〜35%を成功報酬として支払う仕組み になっている。 つまり企業側は、こう考える。

  • 経験者を採りたい
  • 未経験者に成功報酬を払う理由がない
  • 希望の人材だけ紹介してほしい

エージェントはビジネスなので、 当然 “売れる人”を優先する。 未経験者は、資格があろうとも、どうしても 売れにくい商品 として扱われる。

そのため、書類は通っても面接に進まないケースが多い。

◆ 2. 求人サイト(Web応募)のクセ

求人サイトは、応募がとても軽い。 スマホで数分、ワンクリックで応募できる。

その結果、企業側には

  • 本気度が見えない
  • 志望動機が浅い
  • テンプレ文章が多い
  • 多量の応募が来る

という状況が生まれる。

当然、未経験者は 埋もれる。 求人サイトは 経験者が市場価値を試す場所 という性質が強い。

◆ 3. 求人誌(紙媒体)のクセ

求人誌は、企業が「枠を買うだけ」で掲載できる。 成功報酬もないため、企業側の負担が軽い。

そのため、求人誌に載る企業は

  • 地元の中小
  • 町工場
  • 小売・飲食
  • 介護
  • 製造ライン

こうした“生活に近い企業”が多い。

そして、こういう企業は 未経験者を採る文化がある。

電話応募 → 履歴書持参 → 面接 この流れが強いのは、 人柄採用が起きやすいから

◆ 4. ハローワークのクセ

ハローワークは求人数が多いが、玉石混交。 賃金は低めだが、未経験採用が多い。

  • 地元企業が中心
  • 生活を守るための再就職に強い
  • 企業の本音が見えにくい

ハローワークは “生活の再建”に向いた媒体 と言える。

◆ 未経験が採用されないのは、あなたのせいではない

ここまで整理してみて、改めて思う。 未経験で再就職を目指すときに感じる「書類が通らない」「どこも採ってくれない」という苦しさは、 決して本人の能力不足ではない。

ただ単に、 媒体のクセと、自分の状況が噛み合っていないだけ ということが多い。

転職エージェントは経験者向けで、 求人サイトは応募が軽すぎて埋もれやすい。 一方で、求人誌やハローワークは未経験者を受け入れる文化があり、 電話応募や履歴書持参といった“人柄が伝わる行動”が強みになる。

つまり、未経験で再就職を考えるなら、 まずは 自分の環境と媒体のクセを照らし合わせること が大切だ。

媒体を間違えると、 本来なら通るはずの道で消耗してしまう。
「自分の環境に合わせて申し込み先を選ぶことが、無駄な挫折を避ける方法」 なのだと思う。

未経験が採用されないのは、あなたのせいではない。 ただ、戦う場所が違っていただけだ。

◆ 終わりに

未経験からの再就職は、どうしても焦りがつきまとう。 年齢や経験の差に押されて、 「自分だけが取り残されているのでは」と思う瞬間もある。 でも、採用されない理由の多くは、本人の力ではなく 媒体のクセや、仕組みのほうに原因がある

そう思えるだけで、少しだけ肩の力が抜ける。 戦う場所を変えれば、見える景色も変わる。 求人誌を開いてみるのもいいし、 ハローワークで静かに相談してみるのもいい。 電話を一本かけるだけで、 状況が動き出すことだってある。

正論は世の中に溢れているけれど、 人が動けるタイミングは人それぞれだ。 無理に急がなくてもいいし、 誰かの成功例に合わせる必要もない。

ただ、自分の環境に合った媒体を選び、 少しずつ前に進めればそれでいい。 そして一度でも経験を積めば、 それはもう“未経験”ではなくなる。 次の転職では、その経験が確かな武器になる。

そんなふうに思いながら、 今日の文章を静かに閉じたい。

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