AIで強くなったのに、社会は変わらないという違和感

AI活用
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■ AIが当たり前になった日々の中で

AIが生活に入り込んで、もう何年になるだろう。

「とりあえずAIに聞いてみるか」

そんな言葉が、いつの間にか日常の一部になった。 調べものも、文章も、行政手続きも、昔よりずっと簡単にこなせるようになった。 なんでも即座に解決できる。

それでも、ふとした瞬間に思う。 「あれ、生活そのものはそんなに変わっていないな」と。

AIは確かに便利だし、私自身も強くなった。 けれど、日々の暮らしの温度はどこか以前のまま。 この“宙ぶらりん”の感覚は、ずっと胸の奥に残っている。

■ AIで個人は強くなった。それは確かだ

行政書類、文章作成、交渉、法律文書。 以前なら専門家に頼るしかなかった領域に、今は自分の手が届くようになった。

友人の事故交渉では、AIに壁打ちしながら内容証明や訴状の書き方まで学び、 素人でも保険会社と対等に話ができた。 淡々と進めていくうちに、二週間後には友人の裁判が決まっていた。

ひとつひとつを実行に移すたびに、 「AIって本当に個人を強くするんだな」 と実感したものだ。

けれど、強くなったのは“私の内側”だけで、 外側の社会は、何ひとつ変わっていないように見える。

■ 社会の構造は、びくともしない

雇用、学歴、階級、評価制度。 どれもそのまま残っている。

AIについていけない人は不利になる。 でも、ついていったからといって階級が上がるわけでもない。

「努力しても、どこにも着地しない」 そんな宙ぶらりんの感覚が、どうしても消えない。

■ 地方では、大学は“遠い世界”だった

すこし話はかわります。
私の育った地方では、親が高卒という家庭が多い。 私の親もそうだった。

そんなだからか、大学はずっと“特別な場所”だった。
お金に余裕のある家庭。 勉強が好きな人が行く場所。 頭のいい人が行く場所。 私には最近までも そんなイメージしかなかった。

東京の進学率を聞いても、 「へぇ、すごいね」と思うだけで、 自分の生活とはまったく別の世界の話だった。

進学の情報が家庭に届かない。 相談できる人もいない。 そもそも“大学という選択肢”が見えない。

これが、地方の現実だった。

■ AIが家庭に持ち込んだ“静かな地殻変動”

そんな中で、AIと出会った。娘の話題を出すたびに、大学の必要性を友人のTさんからいつも言われてきたのだが、最初のころには 我が家にはお金が無いとか、娘は勉強が好きじゃないからとか、断る理由を私がつくっていた。

そして、言われるうちに私はAIにも相談していた。奨学金の仕組み、大学の難易度、将来の職業、学費の現実。 親である私が知らない情報を、AIが埋めてくれた。

娘の進路を考えるときに、 AIは壁打ち相手として、何度も何度も支えてくれた。

もしAIがなければ、 娘は高卒で就職していたと思う。 大学という選択肢に挑戦することもなかっただろう。

AIは社会構造を変えない。 でも、家庭の構造は変える。

我が家にとっては、これが大きな地殻変動だった。

■ 娘の高校でも、進学率が目に見えて上がっている

去年、おととし、その前の年。 毎年預かってくる娘の高校の進路指導書をずっと見てきた。

たった3年分のデータなのに、 大学進学率が急上昇しているのがわかる。

娘も言っていた。 「去年より全然多いよ」と。

最近は高校生レベルでAI相談が一般的になってきた。 娘も「ちゃっぴーに聞いてみる」が口癖だ。

大学説明会でも、 「レポートはAIに頼らず自分の言葉で書いてください」 と注意が出るほど。

つまり、AIはすでに高校教育の前提になってきている。

地方の教育構造が、静かに変わり始めている。

■ AIは社会を変えない。でも、家族の未来は変える

私は大企業の構造を知らないし、 今は物販生活なので、自分にどう活かすかという視点しか持てない。

でも、娘はこれから社会の中に入っていく。 そのとき、AIが与えてくれた“選択肢の広さ”は、 確実に役に立つはずだ。

AIは社会の階級を変えない。 しかし、家族の未来は変える。

我が家は、その変化の中にいる。

■ 未来は進行形。AIと、静かに歩いていく

私が会社員を辞めて、ちょうど5年が過ぎた。 2021年のあの頃は、AIなんて話題にもなっていなかった。

しかし、たった5年でここまで社会が変わった。 これから先の5年では、もっと変わるだろう。

私も娘も、どう変わっていくかはまだわからない。 ただ、AIと上手につきあいながら、 自分たちのペースで歩いていければいい。

生活の温度を保ちながら、 未来の形を少しずつ選び取っていく。 そんな生き方でいいのだと思う。

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