350万円の確定申告で“350万円残っている扱い”になる世界
6月になりました。 個人事業主で生計を立てている方には、そろそろ国民健康保険の納付書が届く頃でしょう。我が家も5年前から国民健康保険です。
- 「去年より高いんだけど」
- 「年収同じなのに増えてる」
- 「こんなの払えない」
SNSでは毎年のように悲鳴が上がります。
なぜこんなにも重いのか。 なぜこんなにも重く“感じる”のか。 自分だけが苦しいのか。 上手にやっている人もいるのではないか。
そんな思いが交錯する季節です。
◆ 1. 国保は「あなたが350万円貯金できた扱い」で計算される
極端に言いますと、 確定申告で350万円の所得があると、国保も住民税も“350万円丸ごと残っている前提”で計算されます。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが通して話を聞いてください。
苦しい人の実際。
- 経費が少ない
- 按分ができない
- 税理士に毎月払っている
- 親元で生活費が経費にならない
こんな状態だと、 350万円の申告でも手元にほとんど残らない。
なのに、国保や住民税は 「あなたは350万円を自由に使える人ですね」 という前提で襲ってくる。
そりゃ苦しいですよ。
◆ 2. 親元住みの個人事業主は、構造的に苦しくなる
これは友人のケースです。
- 家族3人暮らし
- 親名義のアパート
- 親名義の電気・ガス・水道
- 親が生活費を払っている
- 自分は材料・工具・車・スマホくらいしか経費にできない
この構造だと、 売上=ほぼそのまま所得扱い になります。
つまり:
- 国保 → 所得割が重い
- 住民税 → 所得割が重い
- 年金 → 定額で重い
親に生活費を入れていても、それは家事按分にはなりません。 家賃・電気・ガス・水道などが一切経費にできない。
生活は苦しいのに、税務上は“稼いでいる扱い”。 これが最初の地獄の正体です。
◆ 3. 青色申告+税理士契約は、年収350万円では重すぎる
友人は青色申告のために税理士を使い、毎月顧問料まで払っていました。
仕事人間なので深いことは考えていません。 会計のプロへ一任でき、自分は業務に集中できる。 青色申告なら最大65万円の特別控除が得られる── そう思っての選択です。
しかし、年収350万円でこれは本当に重い。
- 顧問料:月1〜3万円
- 決算料:5〜15万円
- 合計:年間20〜50万円
彼の口からは「年間40万円くらい払っている」と聞きました。
同業の白色申告の仲間は「そんなに苦しくないよ」と。 当然です。
青色申告の65万円控除より、税理士コストの方が高い という逆転現象が起きているのです。
◆ 4. 一人親方は「働けば働くほど苦しくなる」構造
現場に呼ばれたら断れない。 忙しいと数字を見れない。 売上が増えると税金が跳ねる。 でも現場は止まらない。
自分で仕事量も売上もコントロールできない状態。
結果、 働けば働くほど苦しくなる逆インセンティブ に落ちます。
昔の自分もそうでした。
税理士に黒字化され、借入のために役員報酬を上げられ、 「消費税はいくらです」と伝票を渡されるたびに、 やっとの思いで作った売上が税金に変わっていくのが悲しかった。
◆ 5. 今の私は白色申告で“選べる側”に移動した
今の私は白色申告です。
- 税理士コストゼロ
- 所得次第では → 国保7割/5割軽減も可能
- 住民税非課税
- 働き方を自分で調整
- 稼ぎすぎて跳ねるゾーンを避けられる
- 経費も按分も自分で判断できる
つまり、 制度を理解して、自分の生活を守る側に移動した。
個人事業主は、 「知恵があるかどうか」で生活が決まる。 これは本当にそう思います。
◆ 6. 良い循環を作るのも手
車、スマホ、パソコン。 これらは経費にできます。
- 経費を使う
- 所得が下がる
- 国保・住民税が軽くなる
- 浮いたお金でまた投資できる
これが “良い循環”。
iPhoneを毎年買う人を見ると「金持ちだな」と思いますよね。 でも、経費で買った iPhone を一年使って毎年売っている── そう考えると、見え方が変わるかもしれません。(これめっちゃ重要なので個人事業主の方は知ってください、”毎年iPhoneを買い替える節約術”って一本の記事にしてもいいかもです。)
また、親元だと按分は作りにくいですが、 例えばネット回線の契約を自分名義に変えるだけで按分ができるようになります。それらの積み重ねでもっともっと”軽く”出来るかもしれません。
◆ 7. 国保で苦しい人へ
国保が高いのは、あなたのせいじゃない。 構造を知らないまま働いてしまうと、誰でも苦しくなる仕組みなんです。
でも、知れば選べる。 選べば変わる。
- 白色申告にする
- 経費を理解する
- 按分を使う
- 所得ラインを把握する
- 稼ぎ方を調整する
これだけで、 国保・住民税・年金の負担は劇的に変わります。
もちろん、理解せず鵜呑みにしてはいけません。 メリットの裏にはデメリットがあります。
余裕が無ければ見つめられませんが、 苦しい人と苦しくない人がいるのは、構造的に“何が違うのか” そこを一度見つめてみる価値はあります。


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