ちょうど5年前に会社を辞めた。 理由はいくつかあったが、その中でも大きかったのが腰痛だった。 若い頃からずっと痛め続けてきた腰が、ついに限界を迎えた。
氷河期世代として働き続けてきた体が、50歳になって止まった。 今日はその話を書いてみる。
■ 若い頃から、腰はずっと悪かった
最初に腰を本格的に壊したのは、タイヤ販売店で働いていた頃だと思う。 タイヤは重い。しかも当時は四駆ブーム。 若い頃は勢いで持ててしまうから、余計に始末が悪い。
ぎっくり腰も「たまになるもの」くらいの認識だった。 でも、それが年1回から半年に1回になり、いつの間にか「またか」に変わっていった。
工場勤務の頃も前かがみ作業が多く、朝、車から降りただけでぎっくり腰になったこともある。 今思えば、あれは完全に危険信号だった。
■ 氷河期世代の「痛くても働くのが普通」という空気
氷河期世代の人間には、どこか共通している感覚があると思う。
- 休むと迷惑をかける
- 辞めたら次がない
- 無理してでも続けるしかない
そんな空気が当たり前だった。
実際、当時の自分には仕事を選べる余裕なんてほとんどなかった。 30歳の頃、「このまま肉体労働だけではまずい」と思って営業職を目指したことがある。 求人票には「大卒以上」の文字が並び、そこで初めて学歴の壁を実感した。
今なら「勉強すればいい」「資格を取ればいい」と言えるのかもしれない。 でも当時の自分には、そこまで頭が回らなかった。 とにかく働いて、生活を止めない。それだけだった。
■ 最後の職場でも、腰はずっと悲鳴を上げていた
中古車販売店でも、仕事の多くは前かがみ作業だった。
洗車、清掃、整備。 毎日コルセットを巻き、夏場は汗でかぶれて痒かった。 それでも巻かないと怖かった。
それでも定期的にぎっくり腰は来る。
今年の1月には、ついに1か月で3回ぎっくり腰になった。 過去最高記録だった。
しかも、もう「重い物を持ってやった」ではない。 寝て起きたら動けない。 前日に少し前かがみ作業をしたとか、仰向けで寝てしまったとか、その程度で。
治るまで1週間。 それが1か月で3回。 ほとんど寝たきりだった。
■ MRIの結果は、思っていた以上に悪かった
病院嫌いの自分でも、さすがに整形外科へ行くことにした。
診察、MRI、結果説明。
重度の脊柱管狭窄症。 ヘルニアも合併していた。
医師が見せてくれたパンフレットより、自分の画像のほうが悪く見えた。 5か所ある軟骨部分のうち4か所が潰れているらしい。
「すぐ手術したほうがいい」 「紹介状を書くよ」
覚悟はしていたが、実際に言われると頭が回らなくなる。 不安より先に、お金のことを考えていた気がする。
仕事はどうする。 家族は。 入院は。 生活は。
結局その日は「家族に相談したいので帰ります」と言って帰った。 そのまま少し時間が空いてしまっている。
■ 家族の反応は、自分が思っていた以上に重かった
家に帰って話すと、家族は想像以上に心配していた。 両親も同じだった。
心配させないように普通にしていたつもりだったが、 それ以降、畑仕事には誘われなくなった。 気を使ってくれたのだと思う。
少し寂しい気持ちもあった。 でも同時に、「もうそういう年齢なんだな」とも思った。
■ 無理をすると、あとで生活そのものが止まる
最近は、肉体労働系の話はほとんど断っている。 無理をすると、あとで生活そのものが止まる。 これは寝たきりを繰り返して、ようやく分かったことだ。
氷河期世代は「休む」が苦手な人が多いと思う。 自分もそうだった。
辞めることにも後ろめたさがあったし、無職期間にも焦った。 周囲と比べて落ち込むことも普通にあった。
でも50歳になって思うのは、 体が壊れると、それ以前の問題になる ということだった。
■ 今の生活は、昔の自分からすると不思議だ
今はセミリタイアのような生活になり、収入は会社員時代ほどには安定していない。 それでも、自分のペースで過ごせる時間が増えたのは大きい。
放送大学で学び直しを決意したり、こうしてブログを書いたり、家族と普通にご飯を食べたり。 若い頃の自分からすると、不思議な生活だと思う。
あの頃は、とにかく働いて、耐えて、続けることしか頭になかった。
■ 今の自分が思うこと
腰を上手に庇えていたとしても、今度は膝を壊していたのかもしれない。 結局、あの時代の働き方そのものが無茶だった部分もある。
だから「こうすれば正解だった」とまでは言えない。
ただ、頻繁なぎっくり腰は、体が出していた限界のサインだったんだろうなとは思う。
手術については、紹介された病院で受ける予定だ。 その話はまた別の記事で書こうと思う。
特別な結論はない。
ただ、腰が壊れたことで生活のペースが変わり、その中で自分の考え方も少しずつ変わってきた。
今は、その変化を受け入れながら暮らしている。


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