1. 期日前の準備と上申書の提出
第二回口頭弁論の数日前、簡単な上申書を提出していた。 内容そのものは重くないが、 初心者であること、高齢で理解に時間がかかること を裁判所に伝えておくための、ちょっとした事前準備だった。
T さん自身も「説明を理解する前に話が進んでしまうのが不安だった」と話していたので、 少しでも安心して臨めるようにという気持ちもあった。
2. 当日の準備と移動
家まで迎えに行く約束をしていたので、少し早めに T さん宅へ向かった。 T さんは前日に理容室で髪を整え、きっちりスーツ姿。 「こういう積み重ねが相手からの印象を左右する」と以前話していたことを思い出した。
対して私は、いつもの普段着。 役割としてはこれでいいのだろうけれど、並ぶと少し申し訳ない気もする。
午後からの期日だったので、裁判所近くのマックで昼食をとりながら、 1 時間ほど緊張をほぐす時間を過ごした。
3. 法廷へ
予定通り 15 分前に到着し、受付を済ませて法廷前へ。 今回は「第三法廷」。 前回の“THE 裁判所”という広い法廷とは違い、ずっと狭い部屋だった。
円卓が置かれ、家庭裁判所の場面でよく見るような雰囲気。 左側には家庭用と思われる大きなテレビがあり、Windows の画面が点灯している。 円卓の真ん中には UFO 型のマイク付き会議ユニットが置かれ、書記官の PC と接続されていた。
T さんは円卓へ、私は壁沿いのベンチに腰掛けて見守る形になった。
4. 書面と証拠の確認
挨拶のあと、被告準備書面と証拠を三者で確認。 内容に踏み込むことはなく、 「共通のものを受け取っているか」の確認だけだった。
私は、裁判官から被告の主張に対して質問が入るのではないかと少し期待していた。 しかし、提出された準備書面については何も聞かれない。
方言、誤字、理解しづらい説明、想像で書かれている部分── そういった点にも一切触れられない。
なるほど、こういうものなのか、と静かに理解した。
そして証拠に沿った主張が重視される一方で、 証拠のない想像でも、こちらが正しく反論しなければ 「想像の主張」がそのまま有効になってしまうのだろう。
5. 裁判官からの指示と今後の流れ
裁判官からは、
- 被告から反論が出ている
- 原告も反論をするように
- 証拠があれば提出するように
と、ふんわりした形で促された。
「被告は全損だと言っています。同じように証拠があれば出してください」 というニュアンスだった。
私は、カーセンサーの掲載価格などを根拠にした“価格バトル”を促されたように受け取った。 もっとも確実で、王道の反論なのだろう。
続けて裁判官は、今後の流れを簡潔に示した。
- 反論が出尽くしたら和解案を提示
- 和解に至らなければ判決へ
- 過失割合や金額は裁判所が決める
ゴールが見えた気がして、少し進んだ実感があった。
6. 次回期日の設定
準備書面の作成にどれくらい期間が必要か聞かれ、 「1 か月ください」と答えると、ぴったり 1 か月の期間が設けられた。
その後、期日設定へ移り、さらに 20 日後の日程が選ばれた。 つまり、来月末にはまた裁判である。
次の準備書面は、訴訟後初めての“こちら側の発言”ともいえる。 しっかり準備して臨みたい。

コメント