今の日本の格差は南アフリカやブラジルに匹敵する
ネットニュースを眺めていたら、 「フルタイムで月20万円程度では、とても暮らしていけない」 という記事の中に、聞き慣れない指標が出てきた。
ジニ係数。
社会の所得の不平等さを示す数字なのだが、 なんと日本は 南アフリカやブラジルに匹敵するレベル だという。
今日は、この数字が意味する“今の日本の姿”を、私の視点で整理してみたい。
◆ 1. 「日本は格差社会ではない」という幻想
昭和世代なら “一億総中流” という言葉を覚えている人も多いはず。
しかし、今の日本のデータを見ると、 そのイメージは完全に過去のものになっている。
日本の格差は、すでに先進国の範囲を超えている。
その現実を示すのが、今回のテーマである ジニ係数 だ。
◆ 2. ジニ係数とは何か
ジニ係数は 所得格差の大きさを示す指標 で、
- 0 に近い → 平等
- 1 に近い → 超格差社会
という意味になる。
そして日本の場合、 「再分配前」と「再分配後」で数値が大きく変わる という点が非常に重要だ。
◆ 3. 日本のジニ係数(2023年)
厚生労働省の最新データでは、次のようになっている。
■ 再分配後(税・社会保障で調整した後) → 0.3825 → 一見すると「平均的な先進国」に見える。
■ 再分配前(当初所得) → 0.5855 → 南アフリカ・ブラジル級の格差 → 過去最悪レベル
つまり、
“税金でなんとか誤魔化しているが、元の所得は壊滅的に偏っている”
そして、この再分配前の数字は拡大の一途でもあるということだ。
◆ 4. 世界比較:日本はどこに位置するのか
■ 南アフリカ ジニ係数:0.63 → 世界最悪級の格差
■ 日本 ジニ係数:0.5855 → 南ア・ブラジル級の格差
■ ブラジル ジニ係数:0.53 → 超格差社会
■ アメリカ ジニ係数:0.51 → 格差が大きい国
■ ドイツ ジニ係数:0.49 → 欧州では高め
■ 北欧諸国 ジニ係数:0.42 → 比較的平等
私が感じてきた 「日本はもう壊れている」 という直感は、この数字が裏付けている。
◆ 5. なぜ日本の当初所得はここまで格差が大きいのか
理由は、これまで私が語ってきた構造そのものだ。
◆ ① 労働集約型産業の切り捨て
- 建設
- 物流
- 介護
- 飲食
- 小売
これらは 価格転嫁できない構造 にあり、 最低賃金に張り付いたまま。
私自身、 「いかに仕事に出るかで年収が変わる世界」 にいた。 これは、この構造の生きた証拠だ。
◆ ② 非正規雇用の爆発(35〜40%)
1985年の派遣法以降、 2000万人以上が非正規に吸収された。
- ボーナスなし
- 昇給なし
- 退職金なし
→ 当初所得が低くなるのは当然。
◆ ③ 資本所得に富が集中
- 大企業の平均年収は1000万円超
- 株主還元 過去最高
- 内部留保 過去最高
- 役員報酬 過去最高
「内部留保はリスクを防ぐ盾」というの物語は、 構造を隠すための言葉 にすぎない。
◆ ④ 再分配が逆進的(消費税・社会保険料)
本来、再分配は格差を縮めるはずだが、日本は逆。
- 消費税 → 低所得者ほど負担が重い
- 社会保険料 → 低所得者ほど負担が重い
- 法人税 → 下げ続けた
- 大企業優遇税制 → 温存
→ 格差が縮まらないどころか、広がる。
◆ 6. 最低賃金を無理に上げても「空洞化」が起きる
記事の学者たちは「最低賃金1700円」を主張するが、 私はこう考える。
最低賃金を上げても、中小企業は払えない。 だから空洞化が起きるだけ。
- 消費税で利益が消える
- 社会保険料が重い
- 金利上昇で資金繰り悪化
- 価格転嫁できない
最低賃金だけ上げても、
廃業 → 雇用喪失 → 地方崩壊
になる。
◆ 7. ではどうすべきか(構造改革の方向性)
私の提案は、学術的にも合理的だ。
◆ ① 法人税を再設計し、内部留保を人件費へ誘導
- 法人税を“投資のレバー”にする
- 内部留保を溜め込むより、設備投資・雇用・賃上げが得になる構造へ
◆ ② 消費税を減税し、中小企業の賃上げ余力を作る
- 価格転嫁できない産業を救う
- 労働集約型産業を再生
- 地方経済を立て直す
◆ ③ 再分配の逆進性を是正
- 社会保険料の見直し
- 大企業優遇税制の廃止
- 富の偏在を抑制
◆ 8. 〆:ジニ係数は“日本の構造崩壊の警告”
日本は、 再分配前の段階で南アフリカ級の格差社会になっている。
これは “構造が壊れている” という警告だ。
変えるべきは、個人ではなく 構造。
- 政治が作った構造は、政治で変えられる
- 変える力を持っているのは、私たち国民
- 意識を変えよう
- 日本の経済構造は、変えられる


コメント