底値スタートの記憶と、46歳の投稿が重なった日

就職・転職・再就職
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中年の再就職は、思っている以上に難しい。
経験があっても、求人票に並ぶのは若年未経験向けの賃金ばかりで、家族を抱えているほど「この給料では生活できない」という現実にぶつかる。
SNSで見かけた46歳の男性の投稿は、まさにその典型だった。
ようやく見つけた“経験職の新着求人”に希望を感じたのに、底値の賃金に妻から反対され、愕然とする──その気持ちは痛いほど分かる。
かつて私も、同じように底値に吸い寄せられた経験があるからだ。
では、中年の再就職をどう突破すればいいのか。
今日は、そのヒントになりそうな話を書いてみたい。

◆ 中年の再就職の突破方法

― SNSで見かけた、ある46歳の投稿から ―

SNSを眺めていたら、ふと目に留まった投稿があった。 46歳の男性が、ようやく見つけたという“経験職の新着求人”について書いていた。

仕事内容はこれまでの経験と近く、 「これなら自分にもできるかもしれない」と思えたらしい。 しかし、求人票に記載された賃金は底値。 家族に相談すると、妻からは即座に反対されたという。

「給料が低すぎるのはありえない」と。

求人側も若年未経験を想定した賃金設定なのだろうか。 経験も職歴も家庭もある46歳の彼にとって、ようやく「応募してみよう」と思えた求人に出会えたのに、 その現実はあまりにも厳しい。

その投稿を読んでいると、 私は静かに自分の過去と重なっていくのを感じた。

◆ 私ならどうするか──そんな問いが浮かんだ

中年の再就職は、 何も言わなければ底値に吸い寄せられる構造 がある。 企業側からすれば、

  • 「経験者を若年向けの賃金で雇えるならラッキー」

という発想が働くのかもしれない。

家族を抱えていると、底値スタートは危険だ。 受かるかどうかも分からないのに、そして受かったとしても、 入社後に「この給料じゃ生活できない」と会社や家族と揉める未来が見えてしまう。

だから私は、投稿者の彼にこうコメントした。

経験が活かせるなら、それを言語化して前職以上を要求してみるのはいかがでしょうか。

そして、こう続けた。

  • 「経験者としての待遇はどの程度ですか」
  • 「試用期間後に再評価はありますか」
  • 「給与テーブルはどうなっていますか」

入社前に、このあたりが聞ければいいと思います。 無理せず頑張ってください、と。

すると彼は、こう返してくれた。

その点を気をつけながら相談してみて、大丈夫そうなら受けてみる方向で考えたいと思います。

その言葉を読んだとき、 私は少しだけ胸が温かくなった。

◆ 私の過去──三社目の工場での底値スタート

彼の投稿を読んで、 どうしてこんなにも胸に残ったのか。 それは、私自身がかつて同じような道を歩いたからだ。

私は工場としては三社目に勤めた会社があった。 過去の工場勤務の経験は派遣も含めてだが、上場企業の二社。 別業種とはいえ、私には大手の工場経験があった。 数十人規模だったその会社には魅力的に映ったのかもしれない。面接の最中に即採用となった。

しかし、現実は底値スタートだった。

最低賃金に、交代勤務手当と深夜手当と交通費。 12時間拘束の二交代勤務が週六。 月で300時間拘束され、手取りは22万円ほどだった。

社長と世間話をしていたら1万円上がり、 仕事の不満を言うと1万円上がり── そんな不思議な文化の会社だった。

理由は分からないが、 もしかすると実のところ、最低賃金の上昇に合わせて上がっただけなのかもしれない。

当時の私は、 入社前の事前交渉という概念を知らなかった。 努力していれば報われると信じていた。 しかし、数年居ても昇給らしい昇給はなかった。

あの頃の私は、 “底値に吸い寄せられる構造”の中に 何の疑問も持たずに飲み込まれていたのだと思う。

◆ だからこそ、今は「事前交渉」を勧める

今日のSNSのやり取りを見て、 私は改めて思った。

中年の再就職は、交渉力がなければ底値に固定される。

だからこそ、

  • 経験を棚卸しし
  • できることを言語化し
  • 企業の困りごとに合わせ
  • “即戦力の理由”を作り
  • 事前に待遇を確認し
  • 試用期間後の再評価を宣言する

この流れが、 中年の再就職の突破口のひとつになるのではないだろうか。

今日の投稿は、 そのことを静かに教えてくれた気がした。

◆ 結びに

あの頃は、努力すれば報われると信じていた。 でも、今日のやり取りを見て、 もしあの時に“交渉”という言葉を知っていたら、 少し違う景色が見えていたのかもしれない。

交渉する勇気が出せていたのなら、 今もあの会社で働いていたのかもしれない。 そんなことを、ふと思った。

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