SNSには「生きているだけで毎月17,510円の請求がくる」という投稿が流れていた。免除申請を促す声が並ぶその光景に、二十歳の頃の自分が重なる。無職なのに年金も国保も止められず、親の年収につられて支援が届かなかったあの日々。世帯分離という仕組みを知らず、ただ苦しんだ若い自分。今日、市役所で非課税証明を取りに行った出来事と、SNSで見かけたその投稿が、静かに一本の線でつながっていく。制度は、知っているかどうかで未来が変わるのだと、改めて思わされた。
「非課税証明を取りに行った日、世帯分離を思い出す」
■ 1. 市役所での違和感から始まった
今日は6月2日。 子どもたちの学校に提出するための 非課税証明 をもらいに、市役所へ向かった。
6月に入ったのだから、そろそろ発行できるかもしれない。 そう思って窓口に行くと、職員さんから返ってきたのは意外な言葉だった。
「発行できるかどうかは人によって違います。身分証で確認しますね」
どうやら、
- 今日出る人
- 今日出ない人 に分かれるらしい。
私は後者で、「9日になったら発行できます」と言われた。
会社員の非課税世帯と、確定申告の非課税世帯で処理のタイミングが違うのかもしれない。 そんな小さな発見を胸に、帰り道を歩き始めた。
■ 2. SNSを開けば、同じ痛みが流れていた
帰り道、SNSを開くと、タイムラインにはこの様な話題が流れていた。
「私は無職 生きているだけで毎月17,510円 払っています」
そう、この金額は国民年金の話だ。 コメント欄には「免除申請しなさい」という声があふれていた。
免除。 まさに今の私の状況と同じだ。
その投稿を見た瞬間、胸の奥がざわついた。 私はこれを、何度も経験してきた。
■ 3. 最初の“苦しさ”は20歳の頃だった
私が初めてこの問題に直面したのは、20歳の頃。 新卒で入った工場を辞め、無職になってしばらくしたころだった。
気がつけば、未納の年金が積み上がっていた。 収入はゼロ。それでも、国民年金は止められなかった。
払えない請求書だけが毎月届く。 親からは「年金だけは払っておけよ」と突き放すように言われ、胸の奥が重く沈んだ。
そして当時は、
- 世帯分離 という制度があること
- 年金免除は“世帯の所得”で判定されること
- 自分が無職でも、親が課税なら免除されないこと
これらを何ひとつ知らなかった。
そして何より悔しかったのは、 親の年収につられて、無職の私には何の支援も届かないという現実だった。
親の収入は、私の生活費に回るわけではない。 私の年金を払ってくれるわけでもない。 それなのに制度は、 「世帯主が払えるだろう」 という前提で動いていた。
あのときの悔しさは、今でも忘れられない。
■ 4. 次のブランクでも、同じ壁にぶつかった
その後、別の仕事を辞めて再び無職になったときも、私は同じ壁にぶつかった。
国保も年金も止められないかと市役所で相談したが、返ってきた答えは同じだった。
「世帯主の収入で決まります」
親の収入があっても、 それが私の生活に使えるわけではない。 それは誰の目にも明らかだ。
それでも制度は、 “世帯主が払えるはず” という建前で動いていた。
その瞬間、私は強く感じた。
世の中の仕組みは、個人ではなく“世帯”で判断される。 そして、その仕組みを知らない者は救われない。 (私は親との同居が悪なんだとさえ思った)
■ 5. 最近になって知った“回避できた事実”
あれから年月が経ち、制度を調べるようになって気づいた。
あのとき、 世帯分離をしていれば、私は自分の所得だけで判定され、年金は免除になっていた可能性が高い。
当時は家庭にインターネットがない時代、誰かが教えない限り、市役所が教えない限り、知らなくて当然だった制度であるが、知らなかっただけで、 私は制度の“穴”に落ちていたのだ。
そして今日。 非課税証明を取りに行き、帰り道に年金で苦しむ投稿を目にして、 若い頃の悔しさがふと蘇った。
■ 6. ただし、世帯分離は万能ではない
もちろん、世帯分離には デメリット もある。
- 国保料が上がる可能性
- 介護保険料の段階が変わる
- 生活実態が伴わないと認められない場合がある
- 手続きの手間がかかる
制度は“使えば得する”だけの単純なものではない。
■ 7. それでも、知っているか知らないかで未来は変わる
今日の市役所での出来事。 SNSで見た「無職なのに年金17,510円」の話題。 そして、20歳の頃の自分。
すべてが一本の線でつながった。
世の中には 世帯分離 という仕組みと選択がある。 そしてその制度には、知っている人だけが守られる。知らない人は、守られない。
世帯分離は、 「今は必要ない」 「自分には関係ない」 と思っていても、 人生のどこかで突然必要になる可能性のある“カード”だ。
■ 8. 最後に、あなたならどうするだろう
私は若い頃、世帯分離を知らなかった。 だから苦しかった。 だから今は、知識として持っていることの価値を強く感じている。
では、もしあなたが同じ状況だったら、 世帯分離を選択しますか
制度を知ることは、人生の選択肢を増やすことだ。 その選択肢をどう使うかは、あなた次第だと思う。


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