整備士になった仲間たちと、娘に伝えたい未来の話

娘の大学進学
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私が学生だった頃、周りには就職する者も多かったのが、 仲間の多くは自動車整備の専門学校へ進んでいった。

時代だったのだと思う。 当時の車はステータスであり、自分で整備ができることや改造ができることは “かっこよさ” の象徴だった。 エンジン音に胸を躍らせ、オイルの匂いに憧れ、 「車をいじれる大人」になることが、ひとつの夢の形だった。

私は深く考えず就職の道を選んだが、 周りには “なんとなく好きだから”“かっこいいから” と、 多くが専門学校へ行き整備士資格を取り、ほぼ全員がディーラーの整備士になった。

ただ、今になって思う。 当時の彼らは、学生時代に資格を取った先の未来をどこまで見ていただろうか。

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■ 専門学校を卒業して30年──仲間たちの未来は分岐した

整備士資格を取りディーラーを経て、自分の車屋や整備工場を立ち上げた者。 家業を継いだ者。 今もディーラー整備士として働く者。 ディーラー本部へ進んだ者。 早々に退職し、まったく別の工場勤務へ移った者。

専門学校を卒業して30年。 同じ資格を取った仲間たちの未来は、驚くほどバラバラになった。

自動車関係から離れた者も居る、低賃金、長時間労働、パワハラ、体力勝負。 理由はいろいろあるだろう。

けれど、どうしても考えてしまう。

彼らは自身の将来像を、どこまで描けていたのか。

整備士は若い頃は輝いて見える。 手に職があって、技術があって、 「車を直せる」という誇りもある。

だが、50歳になった今、 体力はどうか。 健康はどうか。 役職はどうか。 年収はどうか。

“かっこいい” という理由で資格を取った仲間たちが、 今どんな働き方をしているのか。 どんな生活をしているのか。

思い返すと、胸の奥に静かなざわめきが残る。

■ 宙ぶらりんの娘を見て、思うこと

そして、スマホばかり眺めている娘を見ていると、ときどき思う。
「ああ、相変わらず宙ぶらりんだな」 と。

娘は言う。 就職でもいいし、大学でもいい、と。 そんな温度感の高校生なんて、地方では珍しくもないし、むしろ普通だ。

ただ、親としてはどうしても考えてしまう。 “なんとなく大学に行く” という選択の先に、 どんな未来が広がっているのか。

娘にはまだ将来の目標がない。 親が言うから進学なのかもしれないし、 彼女なりに楽な選択肢を選んだ結果が進学なのかもしれない。

でも、それでいい。 高校生には未来が見えない。 それが普通だ。

■ 「変わりたい」が芽生えたとき、資格は未来の入口になる

実は今日の話を書くずっと前に、 「再就職に役立つ資格とは何か」 を調べたことがある。

そのとき出たひとつの答えが、 宅地建物取引士(宅建) だった。

ただ、再就職に有利だからといって、 親に言われて取るような資格ではない。 資格というものは、親が押しつけても意味がない。

本人の中に 「何者かになりたい」「変わりたい」 という感情が芽生えた瞬間にだけ、 資格は現実的な選択肢になる。

そのスイッチは、ある日突然入る。

  • バイト先の社員がかっこよかった
  • 友達が資格を取った
  • SNSで刺激を受けた
  • 就活の現実を知った

そんな些細なきっかけで、 人は急に“未来”を意識し始める。

近い将来か、遠い将来か。 娘にも、そんな瞬間が訪れるだろう。

■ 大学4年間は、人生で最も“資格コスパ”が良い時期

だからこそ、私は思う。

「大学4年間で、何かひとつ資格に挑戦できればいい」 と。

宅建でもいい。 FPでもいい。 簿記でもいい。 ITパスポートでもいい。

どれも、 “宙ぶらりんの子が未来を掴むための入口” になる資格だ。

若い頃に知っていたら、 誰かが声を掛けてくれていたら、 私自身も違う未来があったかもしれない。

だからこそ、娘には選択肢を残しておきたい。

■ 親ができるのは、地面を固めておくことだけ

娘がいつか

  • 変わりたい
  • 何者かになりたい
  • 資格を取りたい

と思ったとき、 その足元にしっかりした地面があるように。

そして私は今日も、 下調べを続けている。

高校生には未来が見えない。 それが普通だ。

だからこそ、 未来が見えたときに歩き出せるように、 親が地図を描いておく。

それが、今の私にできることだと思っている。

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